キン肉マンで言うならジェロニモだ

五重のリングで名誉の戦死を遂げたためコメントは不可能です

「2003年に発売されたアルバム」 トップ・ファイブ

ここの記事を移記したものです。

大学を卒業して地元に帰ってきてから9年、移動手段が電車から自家用車に変わったこともあり、あまり小説を読まなくなった僕なのであるが、最近ニック・ホーンビィの作品を好んで読んでいる。(といっても、そんなに作品がないのだが。)彼の作品の暖かくも冷たい距離感が好きだ。カジュアルな題材をカジュアルすぎないタッチで描いているのもよい。(これには訳の森田義信氏の力も大きいのでしょうが。)「ハイ・フィディリティ」「アバウト・ア・ボーイ」の2作品は映画化されているので、知っている人も多いのでしょう。(「いい人になる方法」も映画化されるだろうなあ、きっと。)

で。「ハイ・フィディリティ」という作品は、中古レコード店を営むロブという30代モラトリアム音楽マニア(僕の(日本の?)感覚ではレコード店経営ということはもはやモラトリアムとは言えないと思うのですがね。)の話なのであるが、ロブは何かというとテープを編集するのである。女の人を口説こうとするときとか。音楽好きな人なら「ある!ある!」と言うところではないだろうか。かくいう僕もそういうタイプの人。ただし、メタルをチョイスするわけですが。口説けねーっつーの。

で、そんな話は関係ないのである。「ハイ・フィディリティ」の登場人物として、バリーというロブの店で働く音楽マニアが出てくる。(「アバウト・ア・ボーイ」にもちょっぴり出てくる。同じく店員のディックは「いい人になる方法」にカメオ出演(笑))彼は、とにかくトップ・ファイブとかトップ・テンという基準でしかモノを考えない。彼にはその曲や映画がどういうプロットであるかとかどうかは関係なくて、ただ自分の中でその作品がどういう位置づけにあるかを述べるだけ。作中でのロブの視線はこれには批判的なのであるが、ああ、こういうことってあるよなあ、と思う。序列を決めること自体は楽しい行為ではあるが、ただ序列を決めて何の意味があるかと言えば・・・無い。でもこういう無駄な行為が楽しいのだよなあ、でも、無意味なんだよなー、やっぱり。

という前置きの上で、「2003年に発売されたアルバムトップ・ファイブ」。「ファイブ」なのはテンだとめんどくさかったから。ただ単によく聞いていたアルバムです。(そもそもサイト上で取り上げた2003年発売のアルバムは、高々8枚。その中の5枚って意味あんのか我ながら疑問だったりする。)2003年にこだわらなければ、Sugarbombとかもよく聞いたなあ。個人的にはメロディアスな作品に魅かれた一年だった…って、トップ・ファイブには反映されていないや。


[2003年に発売されたアルバム トップ・ファイブ]
1.Honeyburst / Tim Christensen
アルバムが出たこと自体が寝耳に水だった。歌と楽曲を中心に据えた尖がったところのないアルバムだけど、彼のメロディ・センスがとても肌に合うというか、そういう感じで僕はもの凄く楽しめた一枚。
2.Figure Number Five / Soilwork
今年のメタルとしては圧倒的にナンバー・ワン(「ナンバー・ファイブ」だけど。)ここまでキャッチーになったことには好悪分かれるんだろうけど、ここまでクオリティを高めて来れば文句も言えまいて。
3.鬣 / GO!GO!7188
自分の世界を確立した、完全に一皮剥けたと思う一枚。日本のバンドで凄いや!(「好き」とは別ね。)と思えるのは、他にはブランキーぐらいだと思うのですよ、僕は。
4.Last Epic / A.C.T.
プログレ・メタルとしてではなく、Jellyfishみたいなメロディアス・ポップとして。
5.D-D-Don't Stop The Beat / Junior Senior
よく聞いてた。このズレた確信犯的脱力感はAndrew W.K.と通じるものがあると思う。(一発屋臭が漂っている辺りも。)