キン肉マンで言うならジェロニモだ

五重のリングで名誉の戦死を遂げたためコメントは不可能です

河内守

 佐村河内さんの件では非常にモニョっとした気持ちを覚えざるを得ない。

 町行く人のインタビューなんか、口を揃えて、自分で作っていなかったなんて残念、なんて言ってるけどさ、それってどうなのさ。彼が作っていたとされる音楽に心が揺り動かされたのだとしたら、例え作り手がだれであろうと、その揺り動かされた感情は本物のはずだ。

 作っているとされている人が偽っていたことで、その揺り動かされた心まで嘘になるのだったら、それは音楽に心が動かされたのでなくて、佐村河内さんの物語に揺り動かされたということ。音楽を本当に聞いていなかったんじゃないの。その程度の聞き方しかしてないってことだ。ああ騙された騙された、やられちゃったよー、ぐらいで済ませればいいんじゃね。(まあ、インタビューの感じでは皆怒ってるというよりは、困惑している感じだったけど。)

 レコード会社も回収絶版なんてことする必要あるのかな。そこまでリスナーを甘やかす必要は感じないな。

 ちょっと話は違うかもしれないと思うが、アーティストの人柄で評価するのは間違ってると思う。アーティストの人柄と音楽家としての才能は別だ。(まあこの話は実際には作ってなかったという話だから、ここで評価すべきはゴーストライターの才能ってことだけど。)

 佐村河内さんの姿に心を打たれたのだとしたら、彼が偽っていたからといって裏切られたというのは違うんじゃないかな。彼が苦境にあることは間違いないのだし。

 ミリ・ヴァニリの件を思い出した。あれ、後から本当に演奏してた人たちが”リアル・ミリ・ヴァニリ”でアルバム出したんだけど売れなかった。結局、音楽は聞かれてなかったんだな。